大学入学共通テストに向けて~中学生編
1月16・17日に初めての「大学入学共通テスト」が実施されました。共通テストはこれまで重視されてきた「知識・技能」に加え「思考力・判断力・表現力」を測るものとされています。昨年までのセンター試験と比べて難しくなる(平均点5割程度)と予測されていましたが、実際には昨年よりもやや平均点が上がりそうです。
ではどんな問題が出題され、どのような特徴があったのでしょうか?各科目により多少の違いはありますが、まとめて言ってしまうと「読解力が必要」ということに尽きます。
英語の総語数は昨年より2割も増えました。問題文が多く、速く正確に読むことが必要です。英語に限らず、会話文を元に解き進めていく問題や本文を読んだあとにそれについての批評文・図の意味を理解しなくては解けない問題が多数出題されています。
このような形式になったにも関わらず平均点が下がらなかったことを考えると、「問題の意味を理解すれば簡単」な問題が多かったと言えます。当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、これまでのセンター試験では「これまで覚えたことをいかに難しい問題に反映させるか」が重要でした。これが全て無くなった訳ではありませんが、共通テストでは「問題の意図を理解し、何を求めているのか正確に把握する」ことがより重要になっています。
では、今の中学生は将来の受験を意識し、どのような準備をすればよいのでしょうか。
学校での勉強への取り組みを大きく変える必要はありません。ただし、勉強でも普段の生活でも以下の2つのことを心がけてください。
あえて「読む量」と書きましたが、その基本は読書です。ただし、読んでおしまいではなく、本の内容について自分なりに考えるようにしましょう。主人公に共感できたからおもしろかったのか、またはとても真似できない程のスケールの大きさに驚嘆したからおもしろかったのか、主人公や周りの登場人物の心情変化や行動は何に基づいていたのか等を考えてみましょう。感想文を書いて学校や塾の先生に見てもらえれば一番いいですが、友人や家族と同じ本を読んで意見・感想を述べあうのも効果的です(正解なんてありません、自分なりの意見を持つことが大事です)。読書以外でも新聞の社説やネット上のニュース記事・コラムを読んで(難しい政治の話に限らずスポーツや芸能、自分の趣味に関することでもOK)、その意見に賛同できるか、はたまた反対か、そしてその理由は、等を考えてみましょう。例えばまさに今取り上げている「共通テスト」についても役所がなぜセンター試験から変更したかったのか、そしてそれに対する賛否の声はネット上に溢れています。
読むことに限らず例えば家族でニュースを見て意見を言い合うのもお勧めです。なぜ世界からテロは無くならないのか・・これは難し過ぎますが、なぜ最近のプロ野球はパリーグの方が強いのだろう、でもいいでしょう。
ややハードルが高いように感じるかもしれませんが、習慣化してしまえばそんなことはありません。いつもだったら「ふーん、そうなんだ」で終わることを少しずつ「なんでだろう」に変えていきましょう。
読む量を増やし、「なぜ」と考える機会を増やすことが読解力・思考力を向上させることに繋がります。是非試してみてください。
大学受験コース 入試分析室:秋吉達也
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